令和6年度 中学生の「税についての作文」

小石川納税貯蓄組合連合会 ・ 小石川税務署

東京税理士会小石川支部 支部長賞

なぜ「税」が存在するのか


日本大学豊山中学校2年
村田 隼都

 みなさん、「税」と言ったらどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。生々しい話をしますが、昨今の少子高齢化問題により、高齢者が増加していくにつれ、政府がさらなる課税をし、若者や子育て世代の家計をさらに圧迫している…というマイナスのイメージを持っている方もいらっしゃると思います。しかし、そんな税も、見方を変えればプラスの面もあると私は考えています。例えば、高齢者の年金もそうですがみなさんが風邪をひいたり怪我を負ったりした時に使う病院だったり、みなさんの生活に欠かせないであろう水道や電気設備の整備だってそうです。また、都市計画の資金源になったりもします。

 と、ここまで税がもたらすいい所を紹介してきましたが、ぶっちゃけ、それでも納得のいかない方がいらっしゃると思います。

「税がなくなったらいいのに。」「かの有名な織田信長は楽市楽座で市にかかる税を免除してたのに。」そう思う方もいると思います。

 では、税がなくなるとどうなるでしょう。まず、税がなくなると消費税がなくなるので物価は安くなります。さらに所得税もなくなるので直で収入が入ってきます。ここまで見たら、一見天国のようにも見えますが、先ほど言った通り、税によって賄われていた病院が賄われなくなるので救急車呼んだだけで金を請求されます。さらに電気や水道などのライフラインも壊滅し、税金によって働いていた警察や刑事が働かなくなるので街が犯罪まみれの無法地帯となり、最終的には日本の全ての資源が枯渇し、日本が滅びます。

 と、一言に「税をなくす」と言ってもそれは「人々」が税というものから逃れられることができるだけで、それ以外の税によって賄われていた全てを負担しなくてはいけなくなります。

 私がこの作文を通して伝えたいことは、「税最高!」でも、「税をもっとたくさん納めよう!」ということでもなく、「税はなぜ今も在り続けているのか。 」という税の存在意義について改めて考えてほしいのです。税が無かったらどうなるのか。私はちゃんと学校にいるのだろうか。私は勉強できているだろうか。そもそも私はこの世にいるだろうか。税というのは社会のありとあらゆる所に使われている。今もなおあり続ける社会の問題を解決する糸口となるものだって税なのです。

 私はまだ成年していないので、「税」についてあまり深くは考えられない。でも、私の生活を支えているのは、どこかの誰かが一生懸命働いて納めた税ということは知っている。

 みなさんも、「税」について悪く思わないでほしい。みなさんの生活を支えているのは、どこかの誰かが一生懸命働いて納めた、とても尊い「税」なのですから…。