令和6年度 中学生の「税についての作文」
小石川納税貯蓄組合連合会 ・ 小石川税務署
東京都文京都税事務所長賞
能動的な納税
東京都文京区立音羽中学校3年
亀 千尋
「税」と聞けば、中学生である私は、まず消費税を思い浮かべる。少ないながらも私も納めている税金。その税金はどのように使われているのだろうか。自分も納めていると思うと、税金とその使い道について、興味が湧いてきた。
皆が必要だと思うサービスや物に対して、そして困っている人に対して、皆でお金を出し合う。これが基本的な考え方だと思う。例えば、学校などの教育、警察や消防、道路や公共施設、災害時には仮設住宅の建設や復旧作業などが思い浮かぶ。実際、これらには税金が使われている。さらに、今年度から給食費が無償化された。また、私立高校の授業料に対しても助成されるそうだ。すなわち税金から支払われることになったということだ。
これまで私達が支払うことが当然だと思っていたことが無料になるのだと私は驚いた。自治体によって違いはあるが、少子化対策や子育て支援の一環としての政策だそうだ。税金の使い道は、いつも決まっているわけではなく、このように世の中の情勢に応じて変化するとは知らなかった。
税金の使い道や金額は、国会、都議会、区議会など選挙によって選ばれた政治家が議論して決めていく。丁度自宅に「ぶんきょう区議会だより」が配達されていたので、母と一緒に目を通してみた。まさに税金の使い道のことがたくさん書いてあった。一面には税金を使ってリニューアルした施設が紹介され、二面では、予算委員会をインターネット中継する案内があった。議会をより身近に感じるための取組だそうだ。三面には、区議会議員から区長に対する様々な代表質問が掲載されていた。その中に、「給食無償化の次は補助教材費の無償化を」とあった。私に直接関係することを区議会議員が取り上げて交渉していた。こうしたプロセスがあっての給食費無償化だったのかと初めて知った。また、請願のオンライン提出についても記載があった。
請願は、私達の意見や要望を行政に反映させるため、議会に対して、文書で施策の実現などを要望する制度だ。憲法に保障された国民の権利であり、中学生の私でも提出することができる。母に聞くと、給食のパンに国産小麦粉を使用して欲しいといった請願もあるそうだ。これを知って、政治や税金が急に身近なものとして感じられるようになった。自分達の力で自分達の日常をより良くしていくことができるのだ。税金の使い道や予算を検討する政治家を選ぶのも私達だ。私は今十五歳だが、十八歳になれば選挙権が得られる。政治家や政党の考え方をよく把握し投票したい。
税金と聞くと「お金を取られるもの」という負のイメージもあるが、自分の暮らしをよりよくしていくものとしてとらえ、税金の納め方や使い方について積極的に情報収集し、請願や選挙などを通じて関わり、能動的な納税をしていきたい。